玄米屋たいぞうで販売する玄米は”玄米食用の玄米であること”にこだわっています。
玄米食用の玄米って一体どんな玄米? と疑問に思われる方もおられることでしょう。
ただ、最初に断っておきますが「玄米食用の玄米」というものに何か特別な規格があるわけではありません。
要はお百姓さんや販売する側が、お客様が玄米のままでお召し上がりになることをきちんと認識して、玄米食用に栽培および調整した玄米を、たいぞうが勝手に玄米食用の玄米と呼んでいます。
ですから、例え無農薬栽培の玄米であっても”玄米食用の玄米である”とはいえません。
有機栽培や無肥料栽培だからといって”玄米食用に適した玄米である”というわけでは必ずしもないわけです。
次の写真は、どちらも鯖江の農家さんが栽培した玄米をプレ発芽モードに加工したものです。
右の写真は無農薬、無化学肥料で栽培した無農薬玄米。
左の方が玄米食用に特別栽培および特別調整した玄米ですが、こちらは完全無農薬栽培の玄米ではありません。
一見すると何も違いがあるようには見えませんが、実はこの写真を撮るまでに無農薬栽培の玄米の方は、洗浄や選別に非常に多くの時間と手間がかかっています。
無農薬玄米の方は、農家さんが玄米食を意識して栽培を手掛けたものではなく、販売の際ももちろん玄米食など意識しておりませんので、玄米の衛生状態は非常に悪く、4~5回の洗浄と選別をしてようやく食用に適するような状態なのです。
その際に選別した、”籾殻のままの玄米”や”食用に適さない玄米”が、わずか2升の玄米の中でこれだけ出てきます。
未熟な緑米を含めると選別しきれないほどの量です。
(ところどころに緑色の未熟米が混じっているのがお分かりになるでしょうか?)
一方、玄米食用の玄米は流通前の段階で、すでに衛生的な調整済みですので、1~2度水で洗うだけで十分ですし、充分に吟味調整された玄米は色も粒も揃っており、非常に綺麗な状態です。
こちらの方は、食用に適さない籾殻がついた玄米は、2升の玄米の中にたったの1粒だけでした。
なお、今回は一粒だけ出てきましたが、実際は一粒も出てこない場合が多いものです。
また、両者の明らかな味の違いも存在するのですが、当然玄米食専用の玄米は味の次元がまったく違います。
というのも、玄米の味の差はヌカの味に表れるものであり、ヌカの味は田んぼの土作りで多くが決まるのです。
お百姓さんが玄米食用に土作りから工夫し、美味しいヌカの味になる様に研究努力しているわけですから、白米で食べるのが当然とされている慣行栽培の玄米とは味の次元が違うのは当たり前なのです。
ただ、色々とお百姓さんに問い合わせても、なかなか玄米食用に意識して米を栽培している方はいないため、様々な種類の玄米食用の玄米を売ろうにも難しく、その辺りが私の悩みどころです。